開張足
足裏の横アーチがつぶれることで起こる開張足の症状と、改善方法についてまとめました。
早めに改善したい開張足の原因とは
開張足とは、足裏の横アーチが崩れた状態。通常、親指から小指にかけた付け根の下には、横アーチと呼ばれる筋肉の盛り上がりがあります。
しかし、この横アーチが何らかの原因でつぶれると甲がベタッと広がってしまい、偏平足で幅広の足になってしまうのです。
開張足の原因としてよく見られるのは、「ペタペタ歩き」による足裏の筋力低下。
ペタペタ歩きとは、かかとに重心を残した状態で次の一歩を踏み出す歩き方で、足の指で踏ん張ることをしていません。
本来使うべき足の筋肉を使わずに歩いているため、徐々にアーチ構造を支える筋力も低下。アーチがつぶれて靭帯もゆるみ、横幅が広がって開張足となってしまうのです。
さらに、サイズの合わない靴を履くことも原因の1つと考えられています。とくにつま先が細いハイヒール・パンプスなどを履いていると、足指に力が入りにくく筋力が低下してしまいます。
しかし、足が靴に当たって痛いからと幅広で大きめの靴を履くのもNGです。幅が広くてブカブカの靴を履き続けると変形がさらに進み、足幅はどんどん広がっていきます。
その結果、外反母趾やハンマートゥなどの症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
開張足の症状と特徴
開張足の初期症状は、足の疲れや倦怠感がメイン。
「よくあることだから」と放置すると平らになった足指が靴に圧迫され続け、親指が小指側へ変形する外反母趾・小指が内側へ変形する内反小指・足指の関節が固くなる硬直性屈指症などの症状を引き起こします。
他にも、アーチが潰れて常に足裏に体重がかかるようになるためタコや魚の目ができやすくなったり、汗をかきやすくなって水虫になるという恐れもあります。
開張足は急に発症するものではなく、徐々に症状が進行するものです。足の疲れ・痛みをかばって歩き方が不自然になると、外反母趾だけでなく足首・膝・腰などにも影響を及ぼすこともあるのです。
原因と対処法をしっかりチェックし、日々の生活の中で症状を予防していくようにしましょう。
かかるべき病院と治療法
開張足の検査・治療は、整形外科で受けることができます。開張足の検査は、主に問診と触診。どのような症状があるのかを医師が聞き取り、触診によって痛みや変形の度合いをチェックします。
見た目からの判断が難しい場合は、レントゲンによる画像診断を行います。開張足と診断された場合に施される治療は以下の通り。
装具療法
比較的軽い症状であれば、装具を使っての改善を試みます。試用されるのは、テーピングやインソール。
テーピングは足の痛みや変形の進行を予防、インソールは足裏のアーチを持ち上げて正しい姿勢・歩行を促します。
運動療法
開張足の原因は筋力の低下なので、足の筋肉を鍛えるトレーニングを行います。トレーニングはゴムバンドやタオルを使ったもので家でもできるものが多く、毎日欠かさず継続することが大事。
筋力がアップするとアーチが徐々に回復し、症状も軽減します。
手術療法
装具療法・運動療法でも改善が見られない場合、最終手段として手術療法が選択されます。
軽い場合は軟部組織のみを修復、重度になると骨切りをしなければならないなど、症状に合わせて適切な手術法が適用されます。
自分でできる!開張足の対処法
足裏の筋力トレーニング
開張足を予防・改善するには、足の筋力アップが効果的です。まずはタオル寄せ運動。これは床に広げたタオルの上に裸足の足を乗せ、足指だけで手前にたぐり寄せるトレーニングです。
床にかかとをつけたまま行うのがポイント、疲れや痛みを感じない程度に行いましょう。まっすぐに立ってかかとを上下させ、つま先立ちを繰り返すだけでも足裏の筋力アップが期待できます。
正しい歩き方をマスターする
開張足の原因は、筋肉を使わないペタペタ歩き。正しい歩き方とは、かかとを地面につけてから重心を親指方向へと移動させ、足指でしっかりと地面を押し出すようにしましょう。
正しく歩くことができれば、自然と筋力もアップしてアーチも回復してきます。
足幅に合った靴に替える
開張足になると足幅が広がるため、それに合わせて幅広の靴を選びがちです。しかし、これは逆効果。より症状を悪化させることになるので、自分の足にピッタリのサイズの靴を選ぶようにしましょう。
かかとと足裏のフィット感が高く、足指が自由に動くくらいのゆとりのあるものがオススメです。